全部有料なのはなぜ?
昔…とは言ってもほんの十年ほど前まで、富士山のトイレは「タンクにためて登山シーズン後に山腹に投棄」という処理方式がほとんどでした。
排せつ物は雪解けと一緒に消えて行ってもトイレに捨てられたちり紙やごみの類は残ってしまい、景観上も環境上も望ましくない!というわけで国と県、各山小屋が協力し2006年度までに全てのトイレを環境対応型に変更完了しています。
もちろん各トイレの維持費は莫大なものとなるため、富士山のトイレは何処も200円の利用料(管理協力金)を集めています。美観を守るためにも登山前に小銭の準備をお忘れなく!
環境対応型トイレって?
-
(1)カキの殻などを利用した浄化循環式
カキの名産地は広島の会社が開発したこの方式、カキの殻のあの薄い層が幾重にも重なったような特殊な形状は汚水を綺麗にしてくれる微生物の格好の住処になるそう。
これで汚水を綺麗にして再び水洗トイレの水に利用し ます。利用する人が増えるとさすがに水洗の水に色が付いてきますが無臭!カキのチカラ恐るべし…! -
(2)焼却式
し尿をとにかく燃やしてしまおう!というのがこの方式。
燃やして灰にしてしまうと千人の人が利用しても出てくる灰は茶碗一杯分ぐらいだとか。
灰は無害ですがもちろん山から運び出して処理されます。燃焼室とはしっかり区切られているので、
用足し中にお尻がアチチ…!なんてことにはなりませんのでご安心下さい。 -
(3)おがくずや木質チップを利用したバイオ式
微生物の繁殖に最適化された環境をオガクズや木のチップで作り、その上にトイレを設置する方法。
し尿はオガクズと混ぜ合わされ、微生物によって分解されます。
年に数回オガクズの交換が必要ですが、こちらも山から下ろして廃棄するか、または肥料として再利用が可能!
まさにエコロジー。
やってはいけない⋯トイレの禁忌!
環境対応型トイレに限らず非常識な行為ではありますが、煙草の吸殻や生理用品などゴミを便器内に捨てるのは絶対にやめましょう!
せっかくの環境型対応トイレの性能低下やひどい場合は故障を招きます。
カキ殻浄化循環式トイレでは特にこれがダメ!
このタイプ、備え付けのトイレットペーパーも便器内に捨ててはいけません。
「備え付けのゴミ箱へ」と注意書きが有りますので使い終わった紙はゴミ箱へ!
焼却式トイレでは特にこれがダメ!
燃やしてしまうのでこのタイプが一番タフそうに見えるのですが、
便器から燃焼室へ送るポンプが詰まってしまう可能性が有るため、多量の紙の投入が苦手!
また、簡易水洗型は便器の洗浄用にノズルの付いたホースが付いているところも
ありますが当然節水を心がげてください。
おがくずバイオ式トイレでは特にこれがダメ!
おがくず式なので煙草の吸殻の投入は火事の元!絶対にやってはいけません。
処理能力の関係上、このタイプも使用済の紙を備え付けのゴミ箱に捨てるようになっている場合が有ります。
注意書きにしたがって利用して下さい。
そのほか
富士山にはとにかく水が有りません。
つまりは、トイレ掃除に使える水も限られているという事。
利用者の皆さんがきれいにトイレを使うよう心がけて頂ければ
使う水の量も少なくて済みます。富士山の環境保全のため、ご協力下さい!
吉田口登山ルートトイレMAP
- 山頂民間共同トイレ
- 焼却式&バイオ式
- 御来光館
- 浄化循環式
- 本八合目トモエ館
- 簡易浄化槽
- 胸突江戸屋(上江戸屋)
- 浄化循環式&バイオ式
- 富士山ホテル
- 焼却式
- 江戸屋(下江戸屋)
- バイオ式
- 元祖室
- 浄化循環式
- 白雲荘
- 焼却式
- 蓬莱館
- 浄化循環式
- 太子館
- 簡易浄化槽
- 東洋館
- 浄化循環式
- 鳥居荘
- 焼却式
- 富士一館
- 焼却式
- 鎌岩館
- 焼却式
- 七合目トモエ館
- 浄化循環式
- 日の出館
- 焼却式
- 花小屋
- 浄化循環式
- 下山道 七合目公衆トイレ
- バイオ式
- 六合目公衆仮設トイレ
- 焼却式
須走口登山ルートトイレMAP
- 山頂民間共同トイレ
- 焼却式&バイオ式
- 御来光館
- 浄化循環式
- 胸突江戸屋(上江戸屋)
- 浄化循環式&バイオ式
- 江戸屋(下江戸屋)
- バイオ式
- 見晴館
- 焼却式
- 大陽館
- バイオ式&焼却式
- 瀬戸館
- 浄化循環式
- 長田山荘
- 浄化循環式
- 下山道 吉野屋
- 浄化循環式