華麗なるネオ・バロック様式の国宝『迎賓館赤坂離宮』 見学の仕方と見所をご紹介します!

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『迎賓館』は外国の国家元首や政府の長などの国賓を迎え入れた際に会食や宿泊などの接遇を行うための施設です。日本には東京都港区元赤坂の迎賓館赤坂離宮と、京都府京都市上京区の京都御苑内の京都迎賓館の2か所があります。非公開の施設でしたが、2016年より観光振興のため、通年一般公開される様になり、一般の見学も可能となりました。
ここでは『迎賓館赤坂離宮』の見学の申し込み方や、見どころを一挙にご紹介します!

1.迎賓館赤坂離宮の歴史

迎賓館赤坂離宮の歴史

写真/PIXTA

迎賓館赤坂離宮は東宮御所として、1909年に建てられました。
鹿鳴館を設計したジョサイア・コンドルの弟子・片山東熊の設計によって紀州藩の屋敷跡に建築されました。
片山東熊は萩藩出身。戊辰戦争では、奇兵隊にも入隊していました。工部大学校(のちの東京大学工学部)を卒業し、同期には辰野金吾(初代国技館、奈良ホテル、日本銀行などを設計)、曽禰達蔵(世界遺産の長崎造船所占勝閣などを設計)らがいます。
片山東熊は、1897年から東宮御所の為に欧米を視察し、その建築に心血を注ぎましたが、明治天皇に「贅沢すぎる」と言われ、ショックで病気がちになったとか。
実際、当時の皇太子(のちの大正天皇)も、ネオバロック式の外観が華美すぎたことや、住居としての使い勝手があまりよくなかったことから、あまり足を運ばれなかったとか、太平洋戦争終戦時に昭和天皇が赤坂離宮に住む事を提案された際に、「使い勝手が悪く経費がかさむ」と、これを拒否したというエピソードも残っています。
東宮御所は大正天皇が即位した際に離宮として扱われる事となり、名称を『赤坂離宮』と改められます。
戦後、赤坂離宮の敷地や建物は皇室から国へ移管され、国会国立図書館、法務庁法制意見長官、裁判官弾劾裁判所、内閣憲法調査会、東京オリンピック組織委員会などへの使用を経て、1967年にそれまで使用していた東京都港区芝白金台の旧朝香宮邸が手狭となっていたことから、「旧赤坂離宮を改修し、これを外国賓客に対する迎賓施設に供する」ことが決定します。赤坂離宮は5年の歳月をかけて改修され、1974年に現在の迎賓館が完成しました。
2009年に、国宝に指定。明治以降の文化財としては初の国宝に認定されました。
2016年からは一般に公開される様になり、2016年度で約76万、2017年度で約58万人を超す人々が訪れました。

2.迎賓館赤坂離宮の見学の仕方

迎賓館赤坂離宮の見学の仕方

写真/PIXTA

参観コースは1:本館・庭園(主庭及び前庭)、2:和風別館・本館・庭園、3:和風別館・庭園、4:庭園の4コース。希望する場所によって参観料金や予約が必要かどうかが変わってきます。

1:本館・庭園

参観料金 一般1,500円、大学生1,000円、中高生500円、小学生以下無料
公開時間 10:00~17:00
参観エリア 本館(羽衣の間、朝日の間、彩鸞の間、花鳥の間、玄関ホールなど)
庭園(前庭及び主庭)
所要時間の目安 1時間~1時間30分程度
参観方法 当日受付 当日、直接迎賓館西門へ
注意事項 土休日

2:和風別館・本館・庭園

参観料金 一般2,000円、大学生1,500円、中高生700円
参観開始時間 10時30分、11時、11時30分、12時、12時30分、13時、13時30分、14時、14時30分、15時
参観エリア 和風別館(主和室、即席料理室、茶室、和風庭園など)
本館(羽衣の間、朝日の間、彩鸞の間、花鳥の間、玄関ホールなど)
庭園(前庭及び主庭)
所要時間の目安 和風別館+本館+庭園:2時間~2時間30分程度
参観方法 事前予約のみ
注意事項 小学生以下の参観は不可

3:和風別館・庭園

和風別館は各部屋を係員の案内でまわるガイドツアー方式です。

参観料金 一般1,500円、大学生1,000円、中高生500円
参観開始時間 10時30分、11時、11時30分、12時、12時30分、13時、13時30分、14時、14時30分、15時
参観エリア 和風別館(主和室、即席料理室、茶室、和風庭園など)
庭園(前庭及び主庭)
所要時間の目安 和風別館+庭園:1時間から1時間30分程度
参観方法 事前予約のみ
注意事項 小学生以下の参観は不可

4:庭園

参観料金 一般300円、大学生以下無料
公開時間 10:00~17:00(16:30受付終了)
参観エリア 庭園(前庭及び主庭)
所要時間の目安 30分~45分程度
参観方法 当日に西門から入場、受付検査(手荷物、所持品等の検査)の後、参観

3.迎賓館赤坂離宮入場の際の服装について

服装イメージ

服装イメージ 写真/PIXTA

迎賓館赤坂離宮が国宝に指定されている事から、服装にも規定があります。普段着での参観で問題ありませんが、ご来場の際には以下にご注意ください。

      1.公序良俗に反する服装
      2.素肌の露出が極端に多い服装
      3.迎賓館の品格・雰囲気を著しく損なうおそれのあう服装又は他の参観者が不快と思われるおそれのある服装
      4.ウェディングドレス、白無垢、色打掛
      5.警備員などの制服又はそれを模したもの
      6.着ぐるみ

4.迎賓館赤坂離宮の見所

遊心亭(和風別館)

遊心亭(和風別館) 写真/PIXTA

正面玄関・中央階段(本館)

来訪した賓客を天皇・皇后が出迎える場所。
欧州産の各種大理石がふんだんに用いられた階段とホールが見所。


彩鸞(さいらん)の間(本館)

晩餐会招待客の国・公賓との謁見や条約・協定の調印式、国・公賓とのインタビュー等に使用される部屋。
名称は、大理石で作られた暖炉の両脇に「鸞」と呼ばれる架空の鳥をデザインした金色の浮彫がある事が由来。


花鳥(かちょう)の間(本館)

国・公賓主催の公式晩餐会が催される大食堂。記者会見の場所としても利用されています。
名称は、天井に描かれた36枚の絵や、欄間に張られたゴブラン織風綴織、壁面に飾られた渡辺省亭原画・濤川惣助作の「七宝花鳥図三十額」に由来しています。


朝日の間(本館)

表敬訪問や首脳会談等も行われる、迎賓館で最も格式の高い部屋。
名称は天井に描かれた「朝日を背にして女神が香車を走らせている姿」の絵に由来。


羽衣の間(本館)

雨天時の歓迎式典や晩餐会の招待客に食前酒が供される場所。
名称は、謡曲「羽衣」を描いた絵画が天井に描かれている事が由来。


遊心亭(ゆうしんてい)(和風別館)

建築家谷口吉郎氏の設計により、1974年に建設された建物です。
「日本らしいもてなしを行う施設」として、国公賓の会食や茶会に利用されてきました。

5.迎賓館赤坂離宮のアフタヌーンティー

迎賓館赤坂離宮のアフタヌーンティー

写真/PIXTA

前庭のキッチンカーで提供している1日限定20セットのアフタヌーンティーが話題を呼んでいます。
ネオ・バロック建築の迎賓館の前でアフタヌーンティーを楽しめます。
非常に人気で午前中で売り切れてしまう事もあるそう。

料金 1セット2名様分 4,800円(税込)
営業時間 10:00~17:00(L.O.16:00)
営業日 迎賓館の開館日に準ずる
予約 事前予約も可能

6.迎賓館へのアクセスと基本情報

JR中央線快速・中央・総武線各駅停車「四ツ谷駅」

写真/PIXTA

〇公共交通機関
・JR中央線快速・中央・総武線各駅停車「四ツ谷駅」赤坂口より徒歩7分。
・東京メトロ丸ノ内線・南北線「四ツ谷駅」1番出口、2番出口より徒歩7分。

〇日帰りバスツアー
「自分で行くのは大変」という方には日帰りバスツアーもオススメです。バスツアーなら一日で効率よく観光地をめぐる事ができます!

施設名 迎賓館
住所 〒107-0051 東京都港区元赤坂2丁目1-1
TEL 03-3478-1111
公式HP https://www.geihinkan.go.jp/akasaka/

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