十勝平野の中央よりやや東に位置する、人口約7,000人の小さな町「池田町」で、 1963年に全国でも初めての自治体経営によるワイナリー「池田町ブドウ・ブドウ酒研究所」が誕生しました。 1974年に新たに建てられた工場はヨーロッパ中世の古城に似ていることから「ワイン城」と呼ばれるようになり、 十勝でも人気の観光スポットとして多くの観光客が訪れます。

写真/ピクスタ

昭和20年代後半、十勝地方は地震や冷害といった災害に立て続けに見舞われ、 池田町は苦境に立たされていました。この状況から脱却して町を発展させるために「ブドウ栽培」と「ワイン造り」に活路を見出し、 1963（昭和38）年に全国初の自治体経営によるワイナリー「池田町ブドウ・ブドウ酒研究所」が誕生しました。 努力の甲斐あって、その翌年には第4回国際ワインコンペティションで銅賞を獲得し、 以降、十勝ワインの名が世に知れ渡っていきました。 その後も、ブドウの独自品種の開発を行い、豊産性の赤ワイン品種「清見」、耐寒性に強い「清舞」「山幸」が誕生するなど、 ワイン造りは日々進化を遂げています。

1Fショッピングエリア　写真提供/池田町ブドウ・ブドウ酒研究所

「ワイン城」は愛称で、正式名は「池田町ブドウ・ブドウ酒研究所」です。 外観がヨーロッパ中世の古城に似ていることからいつの間にか「ワイン城」と呼ばれるようになり、親しまれています。 2020年にはリニューアルを行い、町民、観光客の両方から愛されるワインの聖地として生まれ変わりました。 地下熟成室ではワインが静かに眠るフレンチオーク樽やオールドビンテージの数々、 1階には十勝ワインをはじめ池田町の特産品が買えるショッピングエリア、 4階にはレストランもあり、見て・食べて楽しめる観光スポットです。

写真提供/池田町ブドウ・ブドウ酒研究所

ワイン城1階のブランデー蒸留室ではワインから造るブランデーの蒸留器と熟成樽を 窓越しに見学することができます。

ワイン瓶詰め工場　写真提供/池田町ブドウ・ブドウ酒研究所

「ワイン城」の裏手にある別棟の工場ではワインの瓶付め作業などを行っており、こちらも見学が可能です。 この工場では１時間あたり約3,000本、１日約15,000本のワインをビン詰めする能力があります。 また、工場内には約435,000本のワインを保管することができる、コンピューター制御された自動倉庫があり、 ここから十勝ワインが全国に出荷されていきます。
工場内の作業風景は併設されている見学通路から常時見学することができます。（見学が可能な時間はワイン城と同じです） 見学通路が短く短時間で見られますので、時間がなくても大丈夫です。

試飲コーナー　写真提供/池田町ブドウ・ブドウ酒研究所

試飲コーナーでは、オリジナルグラスで数種類の十勝ワインを有料で嗜むことができます。 経験豊かなワインアドバイザーが、好みやご利用シーンに合わせてぴったりのワインを選んでくれます。 お気に入りのワインとめぐり合ったら、同じ1階にある売店で購入も可能です。

B2F地下熟成室　写真/池田町ブドウ・ブドウ酒研究所

もっと詳しく知りたい方のために「ワイナリーツアー」も開催されています。 毎週土曜・日曜、祝祭日、午前の部（11:00～12:15）／ 午後の部（14:00～15:15）に各回10名、 参加費は2,000円で3日前までに予約が必要となっています。
詳細は公式ホームページをご確認ください。https://ikeda-wj.org/castle_guidetour.php
※内容は変更となる場合がございます。

写真/ピクスタ

実は、池田町は音楽バンド「DREAMS COME TRUE」のボーカル吉田美和さんの故郷でもあります。 「DCTgarden IKEDA」は吉田美和さんにまつわる衣装や資料などを保管・展示することを目的とした倉庫として、 ワイン城の敷地内にあった旧「物産の館」の建物を利用して2005年にオープンしました。 故郷の池田町のために貢献したいとの吉田さんの想いが詰まった「DCTgarden IKEDA」はドリカムファン必見の施設です。

写真/ピクスタ

〇公共交通機関
・帯広駅から池田駅まで普通列車で約30分、路線バスなら約1時間。
・札幌から特急列車で約2時間40分。

〇自動車
・札幌から高速道路を利用し約3時間
・新千歳空港から約2時間30分
・とかち帯広空港から約50分
マイカー・レンタカーでもアクセスできますが、 ドライバーの方は試飲ができませんので、公共の交通機関を利用した方が存分に楽しめます。